久しぶりに漆塗り
2014/11/20
今日は、まず、”箱物の塗りは難し~い”の話し。
漆器の骨格になる木地は大きく分けると、4種類あります。
挽物=ろくろを回転させてかんなで削って作ったもの
刳物=木の塊からくりぬいて作ったもの
指物=板と板を組み合わせて箱としたもの
曲物=薄くした板を丸めて輪っぱとしたもの
漆の特性として、粘性があり柔らかく強く伸びるので挽物と刳物には、うってつけなんです。
指物と曲物は組み立ててから漆を塗るので、どうしても木と木の合わせ目や隅々に漆が溜まります。本漆塗りの場合は何度も塗り重ねていくので仕上がりが均一になるのですが、拭き漆は、拭き残しがあると、回数を重ねた分、その部分だけが濃くなっちゃいます。
訳あって拭き漆の2段オードブル重箱を仕入れたのですが、これが日本製にもかかわらず、隅々に塗りが溜まっていたり、それより最初の(木地固めの後の)毛羽立ちを押さえなかったのか、表面がざらざらなんです。これでは、いかん!と言うことで塗り直すことに。
まず丁寧にサンディングのやり直しから。
特に隅々に手を入れます。
しばらくぶりに「しょいか~ご習志野店」に様子を見に行きました。サラダボウルを追加に持ってきたら、小物の入れ物が空っぽでした。他の所のおしゃもじを入れてお茶を濁します。
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久しぶりに本格的に塗りに入ります。結構表面積があるので錆びを大量に作りました。アレッツ、米倉涼子さん、少しトウが立ってきましたか・・・?余計なことですが。
大量の錆び付け漆を作って米倉涼子さんを隠しちゃいます^^/。表面積が大きいので、こういう場合はヘラが有効です。まず、上蓋と中の仕切り版を仕上げます。
これからがこの作業の本番です。隅々・角々に漆を置いて、拭き残しの無いようにヘラを使ったり、焼き鳥の串を使ったりして掃除します。
2時間かかって、21cm角の2段重箱の拭きあがりです。
次にチョコチョコとランプ関係の細部の仕上げをします。
ナウシカスクリーンの台座への固定です。まず中心の心棒を埋めて、左→右の順序で仮止めします。狭いところのネジを締めこむ工具を持っていないので、今日は仮止めでオシマイ。
同様にアーチ形スクリーンランプを固定します。こちらも、コルク台座を押さえこむ道具(クランプ)がないので、今日はここまで。
熱心に仕事をしている間に外は、冷たい雨・・・。どうしよう、今日はバイクなのに・・・。
でも、小雨になるまで、と思ってもう一仕事。バルーン(L)に下部リングを入れます。
ココが踏ん張りどころなんです。両手の指を使って切り込み部分を折り込みながら、最初に折り込んだところが離れないように指を伸ばすんです。そして、さっと次の切り込みに指を移つしていきます。ボンドが固着し始めるまで約10分、その後は成型作業でサクサクと。完成です。
外は、冷たい雨が強くなっちゃって・・・。でも、ゆっくりあわてて帰りました。