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16.トイレ事情

2012年09月26日 | コラム, 工房日記 | Comment(0)

16.トイレ事情

 

 話は、水洗トイレの構造から始めよう。

私もエンジニアーおよび日曜大工50年の端くれである。このコラムの「8.キャンプ7」で、「ここでは上水も揚水も下水もサイホンの原理(U字パイプの水の位置が両端で同じになる原理。)は使っていない」と記述した。そのサイホンの原理を水洗トイレは使っている。

 

まずは図解から。

 

水たまりの位置を見てほしい。トイレの水は見えている所の奥に「せき」があって、その位置で

水面が一定に保たれ、通常は水位は変動しない。一方、流すべき水は左の図のタンクに溜っている。洋式型ではそのタンクをロータンクと言って、普通の形の水洗トイレでは便座と同じ高さに設置されている(右の図の点線の部分)。

かたや和式型では三角形のタンクが便器よりかなり上の方に、また、公衆トイレ等では頭上にタンクが設置されている形式が多い。それをハイタンクと呼んでいる。

 

洋式水洗トイレの水の流れは次の順序で進む。

①用が済んでロータンクの栓をひねる→②テコの原理で鎖が引っ張られ止水栓が開く→③溜まっていた水はその重さで便器に流れ込む→④重力が増した水は汚物を「せき」を超えて排水路に押し出す→⑤排水路から下水管に落ちていく水がピストンのように働き、負圧が生じて汚物を吸い出す→⑥ロータンクの水が止まり、最後に空気を吸い込んだ時点でサイホン状態が終わり「せき」の位置で水位が安定する仕組みになっている。

ちなみに、流し終わってゴボゴボっと鳴る音は、⑥の排水管が空気を吸い込んだ音なんです。

 

背中のロータンクの水は一度流すと、これまた一定量たまる仕組みになっています。汚物を流すためには、この一定量の水が必要なんです。

 

 このサイホンとロータンク、どちらかの仕組みがおかしくなると大変困ることとなる。 日本では、家庭でも会社でも公共の施設でもトイレが長い間使えない状態が続くということはまずあり得ない。もし壊れても24時間対応してくれるサービスが普及していて、電話一本で飛んで来てくれる。我が家にも水道トラブルの連絡先、救急隊のマグネット・シートが冷蔵庫に貼ってあります(^^)。

 

今回の旅行中、体調はいたって快調(快腸!)で定期的にトイレに通うことになるが、そのたびに憂鬱となった。なぜなら、2つの仕組みが完全に機能している所が少ないのである。くさい話ではあるが、どんな状況になっているかもう少し説明する。

 

 まず便器の方の具合の悪さと言えば、トイレに入った瞬間に視認できるので嫌だなぁと思う。それは水位が低いこと・汚いことの2点である。これにロータンクの機能不全が加わり、2度も3度も流さなければならないハメに陥る→水が溜まるまで待つ→結局、流しきれない!

 

 汚いトイレはまめに掃除をすれば綺麗になるのに、どこもここも丁寧に掃除をしている気配はない。水位が低いことは、新品の時にはそんなことはないので、人為的に調節したか、または具合が悪くなってもそままにしているに違いない。

でも、心配ご無用、生活の知恵で水位を確保して1回でスパッと流れるようにしているのです。

 

その方法の一つ目は、「使用前にハンドルを少しだけ回して水を追加する」。ここではハンドルの回し加減が大切です。二つ目は「バケツに水を汲んでおいて後でそれを利用する」です。

トイレはまともに写せない!ので、2枚の画像から流し方を想像して下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャワー室とトイレが隣同士になっている場合、

①シャワーを使った際に出る水を溜め置きしておいて、トイレに持っていく。

②トイレを使う前に水位を少し上げておく。

③使用後にハンドルを回して一度流してみる。

④スパッと流れない場合、水位が落ち着いてからバケツの水を加えると同時にハンドルを回す。です。

 

 私が今回訪問したマニラ・パサイ市とバギオのホテルにもレストランにも公共の施設にもトイレの中に汲み置きしたバケツが置いてあった。最初はこれが何のために置いてあるか分からなかった。が、フィリピンに8日間滞在していて帰る頃にやっとトイレの使い方をマスターした次第である。

 

フィリピンへ行かれる方はこの話を頭の片隅に入れておいて下さい。 なお念のため申し添えますと、上記の③「使用後にハンドルを回して一度流してみる」はとても大切なアクションなので欠かしてはいけません。

 

もし、便器が詰まっていたりして流れにくい状態になっている時に、いきなり④のバケツの水を加えると・・・、分かりますね!大パニックに陥ります。

 

お・だ・い・じ・に  !!!!!

(トイレ事情編 The End)


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