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15. La Trinidad – Kape Bantay

2012年09月21日 | コラム, 工房日記 | Comment(0)

15. La Trinidad – Kape Bantay


 先ず、タイトルの説明から始めましょう。

“La Trinidad”は町の名、“Kape Bantay”はその町にある「Coffee Shop」の名前です。ネットで La Trinidad を引くと、まず、Benguet州の州都であることを誇らしげに謳っている。(人口は約10万人。人口約30万人のバギオが州都ではない)

その次にイチゴだらけの画像が目に飛び込んでくる。説明文によるとLa Trinidad、2004年以来「一番大きなイチゴケーキを焼いた町」としてギネスブックホルダーとのこと。町のニックネームも“Strawberry Capital of Philippines”である。

 

 バギオから北へ20km、標高は1300mとバギオより少し低く、だらかな丘陵が続いていて、北の方角には、1700m級の山がある。私が知っている日本の地形では、長野県扉温泉から松本方向へ下ってきた入山辺あたりに似ている。

が、松本市とは異なりLa Trinidadは亜熱帯地域に属していて雨期と乾季が定期的にめぐってくることから、農作物の宝庫であることがうかがえる。現に、La Trinidadの中央交差点の脇には広々とした農作物の集積地があって、朝早くから多くのトラックが野菜を運んで来ては小口に積み替える風景が毎日続く。もちろん大きな野菜市場も後方に控えている。

 

 2012/06/03、昨晩のうちに「はんぱ物屋」や「Pugo村」で手に入れた素材見本のパッキングを済ませた。今日でバギオでの行動は終了し、夜はさよならパー ティである。バギオに来てからこれまで観光らしい観光はしていない。M子さんと相談して、午前中はバギオの観光名所、第1位の“BenCab Museum”へ行くことになっていた。ところが朝から土砂降りの雨。

BenCabは、National Artist ”Benedico Cabrera”の作品を集めた博物館である。この機会にぜひ行ってみたかった所である。だが、博物館の場所がAsinの山奥なので行きはよいよい帰りは恐い(タクシーが捕まらない)ので諦めざるをえない。次回来た時に取っておくことにしよう。

 

M子さんから「私の住む街を案内します」とTEXTが来てタクシーに乗った。そのTEXTの一部分を紹介すると、「can u cm here directly? u tel 2 the taxi driver infront of petron km5.」となっている。「petron km5」がなんだか分からないが、それをタクシーの運ちゃんに見せるとサッと走り始める。着いたところがLa Trinidadの中央交差点の角にある ガソリンスタンド。 “Petron”はガソリンスタンドの名前、「Km5」はバギオから5Km地点の地域を指すのであった。

 

 

 La Trinidadの街並みは古臭くて建物の色合いも原色が多く、それが雨の中でくすんでいるものだから、いきなり田舎町へ来た感じがする。 通りの向かい側では農産物の積み下ろしの真っ最中。 しばらくすると、M子さんが迎えに来てくれてお昼のおかずを買うので・・・・、とそちらの方向へ向かう。広場の一角に焼き魚屋が出ていてM子さんはそこの小母さんと顔なじみらしい。 にこやかに話しながら「なまず」の品定めをしている。そしてもう一軒、こちらは若鶏を照り焼きにしている。「なまず」と「骨付きもも肉」をGet!!

 

M子さんはプロローグで紹介したとおり、Coffee Shop を運営している。そのお店の名前が、  “ Kape Bantay” である。“Kape” は“Coffee”、“Bantay”はイロカノ語で“山”を意味する。

 

 

 

 

 

左の写真はバギオで毎年2月に行われるフラワー・フェスティバルに出店した時の様子です。

 

M子さんのプロフィールをもう一度紹介しておきます。この街にあるベンゲット州立大学院に籍をおいて地域開発学を学んでいて、そのかたわら、有機野菜を 使った料理と有機豆コーヒー、オーガニック加工品・山岳民族の伝統工芸品を販売するCoffee Shopを営んでいます。このCoffee Shopで有機農業を地元の人にもっと知ってもらい、地元のオーガニック加工製品、工芸品の販売促進を通じて地域開発に貢献していけるよう日々奮闘しているのだそうです・・エライ!。

 

Kape Bantayは公共市場と農産物卸売市場の駐車場のハス向かいにある建物の3階。店の中は12~13名が座れる程度の広さ。大小のテーブルの周りには、所狭しと民族goodsが飾ってあったり、無造作に置いてあったり、雑然としている。でも居心地が良い。窓の外には農産物を取引するたくさんのトラック、更にその先には小高い丘が見える。窓から飛び込んでくる生活音、街の匂い・・。これが、La Trinidadに着いた時に感じた「くすんだ田舎町・・」の印象を「ノスタルジックな風景の町」に変えている。

 

そうそう、日本国中、昭和の時代にはどこにでも見ることができた懐かしい風景である。私が育った町にも砂利を敷き詰めた広場、倉庫のような市場、あちこちでゴム長靴をはいたオジサンや小母さんが威勢よく生活をしていたっけ・・・・・・・・。

 

 この日のお昼ご飯のメニューは、有機野菜を使った料理2品。焼ナマズ、若鶏の炭火丸焼き(現地ではレチョン・マノックといってフィリピンを代表するするメニュー)と、有機野菜を中に詰めた生春巻きの5品。生春巻きは魚醤とカラマシーのしぼり汁を混ぜたディップに浸けて食べると絶品。ナマズはもともと淡白な味。それに良く焼けているので抵抗はない。それも同じディップに浸けていただく。若鶏は地鶏のような歯ごたえがして濃厚な味。

 

 

あまり大きな声で言えないが、これだけの料理を目の前にしてお酒を飲まないわけにはいかない。M子さんが地元のお米のワインを開けてくれる。中国式のカンペーのようにキューっと飲るのだそうだ。  きつ~っ!

 

食後に自家栽培の有機豆のコーヒーを飲んで満腹感と顔のほてりを和らげる。コーヒーには特にその作用が強いようだ。

 

 

M子さんには、漆塗りの道具一式を預かっていただいている。と言うよりか、「使って下さい!」と置いてきた。 ご本人もお手製の拭き漆のお椀でお客様をもてなしたいようでもある。 日本から応援することにしよう・・・。

 

ノスタルジックな街を散策する。 市場・屋台・市庁舎・大学の構内・ジープニーのたまり場、どこに行ってもほのぼのしている。

 

・・・・・・・・そうだ、イロカノ語の響きに似ている。

(La Trinidad – Kape Bantay編 The End)


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